Artists

ル・クワール・デ・ラ・プラーノLO COR DE LA PLANA

合唱

Profile

 マルセイユの「プラーノ地区」を拠点とする男声ヴォーカル・グループ。2001年結成された。

いにしえの地中海の、生の、そしてときには乱暴なサウンドをしばしば織り交ぜることによって、南欧特有の発声法を変革させ続けてきた。最小規模におさえた原始的な彼らの演奏形式には、声と打楽器、そして手や足、さらには皮楽器など、ビートを生み出しうるあらゆるものが、用いられている。

 古代オック語のレパートリーから用いられたテクストには、残忍な聖人、優しい怪物といった、プロヴァンスの異教的な古き熱情がいまだに秘められている。現代マルセイユの、雑多な民衆についての歌、ドンチャン騒ぎのやかましい世界、空想のパラダイス、おそるべき不動産投機の耳をつんざくような静けさ、羊と狼、いつもの日常生活の騒々しさ……。

 マニュ・テロンはこのポリフォニックな試みのため、5人の歌い手と打楽器奏者を集めた――ベンジャミン・ノヴァリノ‐ギアナ、セバスティアン・スペッサ、デニス・サムピエリ、ロディン・カウフマン、マニュエル・バルテレミー。マルセイユでの経験とオック語を基礎としてはいるものの、ルー・クワール・デ・ラ・プラーノによって生み出される音楽の宇宙は個別主義を超越し、ピエール・シェフェールからラモーンズまで、バルトークからヴェルヴェット・アンダーグラウンドまで、あらゆる種類の要素をひとつに統合している。彼らにとって、文化的記憶は現状にとどまるための言い訳ではなく、混乱と、デュオニソス的わいせつさと、欲動とためらいと、場合によっては死ぬほどの喉の渇きを、引き起こすきっかけとなる。

これらのたぐいの光り輝く記憶は、このグループにとって、固有のものでありかつ普遍的である何かを、そして心臓――彼らの名前はオック語で心臓という意味である――から湧きあがる脈動感を、作りだし伝えるための生きた素材である。

 

【プロフィール】

2001年にマルセイユで結成。

2002年、デビューアルバム”Es lo titre”を発表する。2003年、同アルバムがフランスのアカデミー・チャールズ・クロ賞の大賞を受賞。2005年には、「ムジーク・ドゥ・モンド」誌のSACEM賞を受賞。2007年にはセカンドアルバム”Tant Deman”を発表した。

聖歌、ダンシング・ソング、行進曲、クリスマス・ソングなど、手がけるジャンルは多岐にわたる。古代オック語の歌詞をうたい、手拍子や足踏み、手作りの打楽器などシンプルな奏法にこだわり、アフリカやアラブを想起させる原始的な響きを奏でる一方で、その音楽はリアルな現実感をもち、近代的ですらある。その表現はときに荒々しく、ときに優しい。オリジナリティあふれるその手法は他に類を見ない。

11年6月にNHK BSプレミアムの”Amasing Voice”(驚異の歌声)にて紹介され、日本でも注目を集め始めている。