Artists

ギルバート・ヴァルガGilbert Varga

指揮

Profile

1952年、ロンドン生まれ。

ハンガリーの著名なヴァイオリニスト、ティボール・ヴァルガを父にもつ。フランコ・フェラーラ、セルジュ・チェリビダッケ、チャールズ・ブルックに師事。指揮台の上で見せる堂々として威厳に満ちた姿や、優雅なバトン・テクニックで好評を博しており、世界各地のオーケストラに客演している。

   指揮者としてのキャリアの初期には、ティボール・ヴァルガ室内管弦楽団をはじめとした室内管弦楽を集中的に指揮していたが、その後はシンフォニー指揮者としての評価を急速に高めている。1980年から1985年までホーファー交響楽団の首席指揮者を、同じく1985年から1990年までマールのフィルハーモニア・フンガリカの首席指揮者を務め、ここではユーディ・メニューインとともにハンガリー・デビューとなるツアーを行っている。その後、1991年に就任したシュトゥットガルト室内管弦楽団の定期客演指揮者を1995年まで務め、1997年から2000年までマルメ交響楽団の首席客演指揮者を任されている。1997年から2008年までバスク国立交響楽団の音楽監督の地位にあり、その10シーズンの任期内には、イギリス、ドイツ、スペイン、南アメリカなどへのツアーも行った。

過去10年間にわたって北アメリカにおける名声が急速に高まったこともあり、毎年客演を続けているミネソタ管弦楽団をはじめ、2012-13シーズンには、ボルティモア、ヒューストン、アトランタ、セントルイス、ミルウォーキー、コロラド、ユタをはじめとした各オーケストラに再度客演。ヨーロッパでは、ベルリン、ライプツィヒ、フランクフルト、ケルン、ブダペスト、リスボン、ブリュッセル、グラスゴーといった音楽文化の中心地の主要なオーケストラに定期的に客演している他、トルルス・モルク、ジェームズ・エーネス、アンナ・ヴィニツカヤ、マルク=アンドレ・アムラン、キリル・ゲルシュタインといったソリストとも共演している。



2013年5月より台北市立交響楽団の首席指揮者に就任。

2012-13シーズンのハイライトとしては、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、ベルリン・コンツェルトハウス交響楽団、ライプツィヒ中部ドイツ放送交響楽団、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル交響楽団などへの再客演が挙げられる。

2015−16シーズンにはウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団、さらにマカオ管弦楽団などに客演予定。

 オーケストラから広範囲にわたる色彩や情感を引き出す手腕は、幾度となく賞賛の的となっており、それゆえ19世紀末から20世紀にかけてのバレエ組曲、交響詩、交響曲などを取り上げるプログラムが多い。最近では、コダーイの「ガランタ舞曲」の演奏についてライプツィヒ・フォルクスツァイトゥング紙は「ハンガリーのジプシーがギルバートの指揮の下では扇情的で機知に富んだ存在になった」と評している。

  また、ASV、コッホ・インターナショナル、クラヴェス・レコードなど様々なレーベルに録音を残しており、最新の録音は2011年1月にアンナ・ヴィニツカヤを独奏者に迎えてベルリン・ドイツ交響楽団を指揮したラヴェルとプロコフィエフの協奏曲である。このCDはBBCミュージック・マガジンで5ツ星を獲得している。