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渡辺 香津美【特別提携アーティスト】Kazumi Watanabe

ギター

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1953年東京渋谷生まれ。弱冠17才でデビュー作『インフィニット』をリリースし、天才ギタリストの出現と騒がれる。今田勝、渡辺貞夫、鈴木勲など国内のトップ・グループに在籍し、79年には坂本龍一、矢野顕子、村上秀一等と伝説の「キリンバンド」を結成。更に同年秋には「イエロー・マジック・オーケストラ」のワールドツアーに参加し、「Kazumi」の名は一躍世界的なものとなった。


80年代には大ヒット・アルバム 『トチカ』 を皮切りに、『Mobo』 『Spice Of Life』といったフュージョン史上に残る伝説的作品を次々とレコーディング。自己のグループで全米&アジア・ツアーも行い、トップ・ギタリストとしての地位を確立する。海外のジャズ・レジェンドとの共演も多く、 『トチカ』 はレコーディングのみならず国内ツアーも敢行、ツアーメンバーにはマイク・マイニエリ、ウォーレン・バーンハート、マーカス・ミラー、オマー・ハキムら、現在も世界のトップ・プレーヤーとして活躍する面々を率いる。また、マイク・マイニエリのステップスにおける、エディ・ゴメス、スティーブ・ガッドらとの共演、故・ジャコ・パストリアスのジャパンツアーにも参加するなど、エポック・メーキングな足跡は枚挙にいとまがない。


90年代からはアコースティック・プロジェクトにも力を入れ始め、ジャズ/クラシックの境界線を乗り越えて世界中で活躍。91年バルセロナ、ローマ、95年ブルガリア、リスボン、97年のパリなど、ヨーロッパ各地で絶賛を浴びた。また、93年のライブ・アンダー・ザ・スカイでのアル・ディ・メオラとのデュオ、アコースティック・ギターをフューチャーしたアルバムでの共演からライブ・ツアーまでを共にしたラリー・コリエルとのデュオなど、特筆すべきギタリスト競演の筆頭として、来日ミュージシャンのラブ・コール多数。


21世紀に入り 《ギター生活30周年集大成》 として発表されたギター組曲 『ビヨンド・ザ・インフィニット』 では、インプロヴァイザーとしての側面を活かした作・編曲で独自の世界を展開し、クラシック、コンテンポラリー、ジャズ、ロック、民族音楽などを自在に行き来するボーダレスなギタリストとしての可能性をさらに極めていった。


2003年2月にはキャリア初の完全ソロ・パフォーマンス・アルバム 『ギター・ルネッサンス』 をリリース。バッハの「無伴奏チェロ組曲」やラベル、スカルラッティなどのクラシック作品、ビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」等を取り上げ、幅広い層から大きな反響を得たことは記憶に新しい。さらに同年5月にはNYでNew Electric Trio(ベース:リチャード・ボナ、ドラムス:オラシオ・エル・ネグロ・エルナンデス)による 『Mo’Bop』 をレコーディング。 8月のリリース記念に「東京JAZZ 2003」のステージでワールド・プレミア・ライヴも行い、全国のエレクトリックギター・ファンに強烈にアピール。2004年からはこの2つのアルバムを軸としたツアーも行い、2005年にはそれぞれの第2弾となるアルバム、ライブDVDもリリース。


2006年に入り活動はさらに密度を増す。2本柱のアルバムはそれぞれ第三弾をリリース、 その合間をぬってローマ~パリでのソロ・パフォーマンスと現地ミュージシャンとのコラボレーション、さらには自らのアイデンティティーに根ざした新プロジェクトとして韓国のジャック・リー、香港のユージン・パオと共に【エイジアン・スーパー・ギター・プロジェクト】を立ち上げ、マレーシアの国民的打楽器奏者ルイス・プラガサムも加えた4人で8月より日本、韓国を皮切りにアジア各地のジャズ・フェスティバルに参加。アルバムもアジア各地でリリース。これらはかねてより機会あるごとに行ってきた文化交流の一環で、ジャズというコミュニケーションツールを活用し日本はもとよりアジアの伝統楽器、さらには世界中の民族音楽とのコラボレーションを展開し 『地球の民』 としての喜びの輪を広げることに貢献するもの。


一方、ギターコンチェルトのフォーマットをクラシックから解放することを目指した活動として2006年金聖響指揮による大阪シンフォニカー交響楽団とオリジナル【ギター組曲/ビヨンド・ザ・インフィニット】オーケストラヴァージョン(猿谷紀郎・編曲)を初演するなど、その創作エネルギーは留まることを知らない。


2007年5月から6月にかけては、アトリエダンカン・プロデュース公演 『血の婚礼』 (白井晃/台本・演出、森山未來/主演)において音楽プロデュースと38公演にわたる生演奏で参加。<大地の熱さ、血の暗さがたぎる音楽と巧みな演奏>と絶賛され読売演劇大賞・スタッフ賞にノミネートされる。先駆けて4月には劇中のサウンドスケープを含むスペイン(アンダルシア)へのオマージュをテーマにしたアルバム 『ギタールネッサンスIV~響』 もリリースし、自己のソロ公演においてもギターにおけるジプシー精神溢れる自由奔放な演奏を展開する。


また2007年より公私共にパートナーであるピアニスト・作曲家の谷川公子とのユニット 『Castle In The Air』 を始動しアルバムもリリース。自身の音楽とは一線画し自然との共生をテーマに社会との関わりの深い活動を展開。このユニットにて2008年夏公開の映画『火垂るの墓』の音楽も担当した。


これら多種多様な活動の中で、2008年より自身の原点に立ち返る『JAZZ回帰プロジェクト』としてベースの井上陽介と共にJAZZコンボでのライブを行い2009年秋にアルバム 『JAZZ IMPRESSION』 を発表。コアなJAZZファンにも応え、なおかつJAZZの新しいファン層にもアピール。


2010年には『ギター生活40周年』を記念して数々のイベントを展開。中でもクラシックギターの金字塔《アランフェス協奏曲》全楽章のピック弾きによるオーケストラとの共演は、オール・ジャンルにおける前人未踏の挑戦として注目を集めた。 一方、9月初めに開催された 『東京ジャズ』 では、かつてツアーを共にしたメンバーの、30年ぶり一夜限りの再結成となるユニット 『TO CHI KA 2010』 において、往年のジャズ・フュージョン・ファンから次世代までの熱狂的支持を得る。また、2008年のワシントンDC におけるジャパン・ウィークでの評判が連鎖を生んだプロジェクト 『武満徹トリビュート』 のスペシャル・ユニットにおいて、松本のサイトウキネン・フェスティバル、さらにはNYC カーネギー・ホール、西海岸オレンジ・カウンティー・パフォーミング・アーツ・センターでの公演も行い、いずれもスタンディング・オヴェーションとなる。同ユニットで2011年には再びサイトウキネン、中国2都市での公演も予定されている。


メディアにおいても数限りない露出がある中、2003年にはNHK教育テレビ 《アコースティックギター入門》 の講師を務め『いち国民いち楽器』構想で音楽文化の草の根運動を展開。2005年より2007年春までNHK FM 《ジャズ・トゥナイト》 のレギュラー・パーソナリティーとしても活躍。2011年よりNHK国際放送 『J-Melo』 の準レギュラーも務める。エッセイなどの執筆も多く、JAL Card 会員誌 『AGORA』 には紀行文も連載中。


現在、洗足学園大学ジャズコース客員教授。


名実ともに日本が世界に誇るトップ・ジャズ・ギタリストとしてのワン・アンド・オンリーな存在は、生粋のインプロヴァイザーの資質を生かし、常に最先端インストゥルメンタルを創造し続け、広く音楽文化に貢献。