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干野宜大ピアノ・リサイタル~未来への確かなる継承

2012年 12月 3日(月)19:00開演(18:30開場)
会場:浜離宮朝日ホール
出演:

発売中

曲目

ヴィルトゥオーゾが弾く、受け継がれるピアノ音楽の神髄

スカルラッティ:6つのソナタ

 
ホ長調 K.380/L.23
ニ短調 K.1/L.366
ハ長調 K.159/L.104
イ短調 K.9/L.413
ニ短調 K.141/L.422
ニ長調 K.96/L.465
 
 
ムソルグスキー:展覧会の絵
 
~休憩~
 
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調「鐘」
       エレジー
 
ドビュッシー:前奏曲第2巻より
 
V.ヒースの茂る荒野
Ⅵ.風変わりなラヴィーヌ将軍
Ⅻ.花火
 
権龍模:ピアノソナタ(世界初演)
 
※使用楽器:”ホロヴィッツが愛したピアノ”ニューヨークスタインウェイCD75(タカギクラヴィア所有)
 

公演に寄せて― 干野宜大

今回のリサイタルは僕にとって色々な大切な意味を持つ特別なものになる予感があります。

この度は、長いピアノ作品の歴史において、いつまでもその輝きを失う事のない素晴らしいプログラムを弾かせて頂きます。

そして、プログラムの最後に、高校時代からの親友、権龍模(こん たつのり)のピアノソナタを今夜、世界初演を致します。権は素晴らしいヴァイオリニストであると同時に活発に作曲活動を行ってきました。その鋭く豊かな感性から数多くの作品を生み出しており、彼のヴァイオリンとピアノの為の作品集CDアルバム『祈り ~La Priere~ 』でも共演してきました。

その権が、遂にピアノソナタを作曲しました。楽器製作にも精通している彼は、ヴァイオリンのみならずピアノの構造・機能についての知識も豊富で、彼ならではの、ピアノの魅力が最大限に引き出された素晴らしい大作になっています。友人である事を越えて、僕が最も信頼し尊敬する芸術家の一人である権龍模の大作を今夜世界初演出来る事を、皆様にお聴き頂ける事をとても嬉しく思っております。

 

それからもう一つの特別な事。それは、タカギクラヴィア所有の1912年6月19日生まれのニューヨーク・スタインウェイ “ホロヴィッツが恋したピアノ(CD75)”を、高木さんのご厚意で特別に会場に運んで頂き使用出来る事です。

CD75は、バロック時代の楽器の構造がルーツになっている事を確かに感じさせてくれる、正にピアノという楽器の原点と真髄が確かに息づいている素晴らしい楽器です。幼い頃に巨匠ホロヴィッツがこのCD75を奏でるのを聴いて大きな衝撃と感動を覚え、以来この楽器の響きを常に理想の音色と信じてきた僕にとって、今夜この手で演奏出来る事は素晴らしい事件なのです。

 

驚いた事に、権がピアノの響きに魅せられ夢中になったきっかけがロンドン公演でホロヴィッツがこのCD75を使用した映像だったというのです!

運命に引き寄せられる様に、権のソナタの初演をそのCD75でする事になりました。とても素敵な偶然です。

 

この度、バロックの革命児スカルラッティ、色彩の魔術師ドビュッシー、音楽の絵画的表現の名人ムソルグスキー、ロシアンピアニズムの象徴であるラフマニノフ、そして権龍模の作品の世界をCD75を通してどの様に引き出していけるか僕自身も楽しみにしているのです。

干野宜大

 

チケット◎

全席自由¥4000 学生¥3500

問合せ◎

コンサートイマジン:03-3235-3777

チケット取扱い◎

コンサートイマジン:03-3235-3777

朝日ホールチケットセンター:03-3267-9990

チケットぴあ:0570-02-9999[Pコード179-629]

e+(イープラス)http://eplus.jp/

後援◎

駐日ハンガリー共和国大使館、一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会、㈱ヤマハミュージック東京 銀座店、アコールヴィブレ株式会社

協力◎

㈱オクタヴィア・レコード、タカギクラヴィア㈱

プロフィール◎

 

北海道出身。

4歳よりピアノを始め、即興演奏や自作曲の演奏を行う。

全日本学生音楽コンクール小学生の部北海道大会第1位、並びに東京大会第3位。

桐朋女子高等学校音楽科(共学)を経て、同大学、同大学研究科で学ぶ。在学中、家永音楽事務所ピアノ・オーディション等で優勝、上位入賞し、活発な演奏活動を行う。

1994年からハンガリー国立リスト音楽院にてハンガリー政府給費留学生として研鑽を積む。

その間に、マリア・カナルス国際コンクール特別第1メダル(第4位)、ヴィオッティ=バルセシア国際コンクール(現ヴァルセシア・ムジカ国際コンクール)第2位、カントゥ国際ピアノコンチェルトコンクール第1位並びに聴衆賞、マスタープレイヤーズ国際コンクール優勝(マスタープレーヤーズ大賞)並びに特別名誉賞、TIM ROMA国際コンクール特別名誉賞など、数々の国際コンクールにて優勝、上位入賞。それらをきっかけにヤング・プラハ国際音楽祭、マスタープレイヤーズ国際音楽祭等のヨーロッパ各地の音楽祭に招聘される。ハンガリー国際「5つの竪琴」音楽祭に招かれた際には、最も才能と将来性に溢れたアーティストに贈られる「リラ大賞(5つの竪琴賞)」を授与された。

これまでに、ハンガリー交響楽団、ハンガリーMAV交響楽団、ハンガリー・ソルノク市交響楽団、モスクワ管弦楽団、ルーマニア国立管弦楽団、ポーランド・スデテック管弦楽団、ルガーノ室内管弦楽団、プラハ室内管弦楽団、また国内では東京ニューシティ管弦楽団、札幌交響楽団等のオーケストラと共演。

2000年の東京文化会館でのデビューリサイタルが大成功を収め、『音楽現代』の「今、目が離せない10人の日本のピアニスト」にてトップページで扱われるなど、各誌でその演奏と才能を高く評価される。その後は、紀尾井ホールや浜離宮朝日ホールでのリサイタル、『干野宜大コンツェルトの夕べ』(共演:プラハ室内管弦楽団)等を毎年開催。 2006年、『名曲巌流島』シリーズ第一弾(浜離宮朝日ホール)では、ピアニスト山田武彦氏と共演し、以来各地で聴衆を魅了している。

演奏活動の他、桐朋学園大学音楽学部、上野学園大学音楽学部、札幌コンセルヴァトワール(客員教授)にて後進の指導にあたり、日本音楽コンクール、家永ピアノオーディション、鳥栖フッペルコンクール、ピティナコンペティション、日本クラシックコンクール等、国外ではヴィオッティ国際コンクール、カントゥピアノ協奏曲国際コンクール、イブラ国際コンクールなど国内外のコンクールでの受賞者を育てる。

これまでに河原裕康、宮澤功行、松岡貞子、田崎悦子、ミヒャイル・ヴォスクレセンスキー、デミトリー・バシキーロフ、ジョルジィ・ナードル、フェレンツ・ラドシュ、エリック・ハイドシェックの各氏に師事。

レコーディングでは3枚のソロアルバム、2004年「LISZT-SCHUBERT」、2007年「熱情・クライスレリアーナ」レコード※芸術誌・特選盤(以上アウローラ・クラシカル)、そして2012年5月にはオクタヴィア・レコード・トリトーンより、リストの作品を中心としたシリーズ第一弾『LISZT Ⅰ~内なる深淵との対峙~』をリリース。レコード芸術誌・準特選盤、音楽現代・推薦盤、読売新聞クラシックCDサウンドBOX・推薦盤に選出されるなど、高い評価を得る。また、2005年にリリースされた権龍模作品集『祈り』では全曲に渡ってピアノを担当。ジャンルを超えた演奏技術と表現力の高さを絶賛された。

近年は日本各地でソロリサイタルや協奏曲のソリスト、弾き振り、室内楽コンサートの他、NHK-FMリサイタル、朝日カルチャーセンターへ出演の他、リスト生誕200年記念連続リサイタルを開催。またハンガリー・ソノルク市立交響楽団定期演奏会及びオペラシティコンサートホールでの来日東京公演のソリストとしてバルトークのピアノ協奏曲第3番を共演し大成功を収めた。

2013年夏にはドイツ/ハレで開催されるEuro Arts Music Festivalに教授として招聘されマスタークラスで教える他、同音楽祭でソロリサイタルを開催する予定。