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若林顕ピアノ・リサイタル

2014年 1月 17日(金)19:00開演(18:30開場)
会場:サントリーホール 大ホール
出演:若林顕

発売中

曲目

 ・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調Op.13「悲愴」
・シューマン:交響的練習曲 Op.13(遺作付)
・ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23
・ラフマニノフ:前奏曲op.23-4
・ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36(原典版)
 
◎チケット
S席:5,000円、A席:4,000円、B席:3,000円、学生:2,000円

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調Op.13「悲愴」
・シューマン:交響的練習曲 Op.13(遺作付)
・ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23
・ラフマニノフ:前奏曲op.23-4
・ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36(原典版)
 
◎チケット
S席:5,000円、A席:4,000円、B席:3,000円、学生:2,000円

若林顕の宇宙

1987年、世界最難関のコンクール「エリザベート王妃国際コンクール」第2位に輝き一躍世界の檜舞台に躍り出た22歳の青年は、現在、ピアニスト、教育者として国内外で旺盛な活動を展開している。

日本を代表するヴィルトゥオーゾ・ピアニスト林顕。その「常人離れした技巧」と「オーケストラに匹敵する表現力」は多くのファンを魅了してやまない。

88の鍵盤を持つ楽器、ピアノ。そこから、若林の指は多種多様な音色を生み出し、森羅万象を表現する。多彩で深い音色を紡ぎだし、豊かで奥行きのある音楽表現を実現するために研究と努力を重ね、最近ようやく自分の思う表現ができるようになってきたと言う若林は、デビュー以来、ソロ活動と共に、国内外の多くのソリストと精力的に室内楽を重ねてきた。十代半ばから「ピアニスト」ではなく「ピアノを通した音楽家」になることを目指していた若林にとって、さまざまな室内楽の機会は音楽をより豊かに表現するための貴重な経験となり、厳しい鍛錬の場となった。それは今、自身がソロ演奏をする際の大きな基盤のひとつになっていると言う。

ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとは、ピアノという楽器の可能性を究極まで追究し、目の覚めるような超絶技巧に日々磨きをかけ、どんな難曲をもやすやすと弾きのける卓越した演奏能力の持ち主である。しかし若林はそこにとどまることなく、さらにその上をいく。彼はピアノを通して音楽を表現し、ピアノからオーケストラに匹敵する多彩な表現を引き出すことを追究し続けている特別なヴィルトゥオーゾである。

中学生の時、巨匠スヴャトスラフ・リヒテルの演奏会で、音楽によって会場空間と自分自身がひとつの宇宙になった体験をした。それが若林顕の音楽の根源にある。
若林が目指す音楽はミクロからマクロまであらゆるものを包括し、本物の迫力を宿し、どんどん膨れ上がる宇宙のようなものである。
持続音を保持できない特性を持つピアノで、ピアノの限界を超えた “エスプレッシーヴォ(表情豊かに)”や“カンタービレ(歌うように)”を表現するために、あるいは巨大なオーケストラのみに可能な真の爆裂を表現するために、そしてどんな微かな音にも宇宙を宿すために、若林はひたすら理想の音楽を思い描き、音を追究し、テクニックを磨く。

若くして世界へ飛翔した若林は、充実した演奏活動を送っていた2008年、突然、原因不明の手の故障に襲われた。手が固く硬直し、まったく演奏できなくなった。しかし絶望の日々の中でも、若林は絶対に音楽をあきらめなかった。復活を切望してもがき続けるうちに、硬直した手が少しずつ柔らかさを取り戻し、ようやく2010年に復活を果たした。困難な月日を経て、若林顕の音楽にはさらなる深みと輝きが宿った。

「最近ようやく音楽家としての本当のスタートラインに立てた気がします」と若林は語る。
音楽性、テクニック、強い意志、すべてがうまく合致した今、若林顕は音楽家としての新境地を拓こうとしている。
サントリーホールが、若林顕の宇宙になる。